黄斑上膜(黄斑前膜) 阪急京都線西院駅シャトルバス約5分 やまだ眼科

【黄斑上膜(黄斑前膜)】 

黄斑上膜(黄斑前膜)とは

黄斑上膜(黄斑前膜)とは、黄斑(物を見る中心部分)の網膜表面に形成される薄い膜のことを指します。この膜により網膜が牽引されると、網膜に雛襞(しわ)が生じます。主に加齢によって生じる特発性ものが多いですが、網膜剥離やぶどう膜炎など他の病気に伴う続発性のものもあります。

症状は、初期には自覚症状がないことが多く、進行すると物が歪んで見える変視症や視力低下が生じます。特発性の場合は進行がゆっくりで、数年から10数年で進行することが多いです。続発性のものは進行が早い場合があります。

検査では、眼底検査、光干渉断層計(OCT)検査、アムスラーやMチャートを用いてゆがみの程度を評価します。続発性の場合、特にぶどう膜炎に併発するものは、蛍光眼底造影検査を行い、炎症の活動性を評価します。

治療方法としては、点眼や内服薬では有効なものはありません。症状が軽度の場合は経過観察を行います。病態が進行し、変視症や視力低下が生じた場合、硝子体手術を行い、網膜表面の膜を除去します。場合によっては白内障の手術も同時に行うことがあります。

黄斑上膜の検査は、薬で瞳孔を開いて目の奥を直接観察します。瞳孔が元にもどるまで4~5時間、眩しくなったり、見にくくなったりするため、検査を受ける日は車やバイクの運転は避けてください。

 

上方が正常な黄斑部、下方が黄斑上膜(黄斑部に膜が張って網膜が牽引されている)